「摂食障害」とは
「摂⾷障害」とは、「⾷べることに関する⾏動の異常が続いてしまう、精神の病気」の総称です。
拒⾷症
「⾃らやせようとして、実際に激しくやせる」病気です。⾷事を減らす、太る⾷べ物を避ける、⾷べたものを吐く、激しく運動するなどの⽅法で体重を減らしてやせ、体重を低いままに保とうとしてしまいます。脳の働きが乱れて「やせの基準が⾃分と他⼈で違う」「体重が増えることを異常に恐れる」状態になるので、⾃分ではやせすぎていると感じず、他の⼈に⾔われても納得はできず、体重が増えることへの恐れが優先されます。そのため、⽣命の危険があるほどやせた状態が続いてしまいます。
過食症
「過⾷するが、体重は増やしたくないので、吐いてしまう」病気です。過⾷とは、⼤量の⾷べ物を⼀気に⾷べてしまい、⾃分では⽌められないというものです。過⾷する⼀⽅で「⾃分の価値は体重・体型で決まる」という考え⽅が強くなるため、「体重を増やさせない⾏動」がセットで現れます。⾃分で吐いてしまうことが多いですが、下剤を⼤量に飲む、激しい運動をする、などの場合もあります。拒⾷症のようにやせることはないですが、吐くことで⾝体の栄養バランスが崩れて不整脈に繋がったり、⼿に吐きだこができたり、胃酸で⻭が溶けたりします。また、過⾷症をもつ⼈は万引きや⾃殺をしやすくなるとも知られており、とても危険な病気です。
その他の摂食障害
拒⾷症や過⾷症以外にも「過⾷して吐かず、どんどん太ってしまう」「⾷べること⾃体が気持ち悪くてできない」などの形をとることがあります。また、摂⾷障害以外の精神の病気(うつ病など)や、胃腸・甲状腺など⾝体の病気でも、⾷べることに関する⾏動の異常がおきることがあります。
摂食障害チェックリスト
以下の5項目のうち、2項目以上に当てはまる人は摂食障害の可能性があります。
- □ あなたは、心地よい満腹感を超えて食べてしまい、
吐いたりすることがありますか? - □ あなたは、食べる量についてコントロールできていないと
心配になりますか? - □ 最近3ヶ月で6.3キロ以上体重減少がありましたか?
- □ あなたは、他の人に痩せすぎだと言われるが、
自分が太っていると思っていますか? - □ 食べ物があなたの生活を支配していると言えるでしょうか?
著作権、2019年、日本摂食障害学会
参考文献:『AED医学的ケアのためのガイド第3版<日本語版>』
2項目以上に当てはまらない場合でも、摂食障害の可能性がなくなるわけではありません。特に上記の「その他の摂食障害」はこのリストでは発見できません。心配な場合はリストと関係なく、医療機関の受診や当病院への電話相談をしていただくようお勧めします。